『あの人…変なんです!』「なんだちみは?」

私は…
どうも女性に
嫌われているようだ。

ついこの間のことだが
家路を急いで
夜道を歩いていた。

その途中で
駅から続くT字路があり
駅の方から、
女性が一人
歩いてきた。

私の家は
左なので左折すると
その女性の後ろを
私が歩くことになった。

パン屋の角を曲がって
本屋を右折
おそらくその女性も
家が同じ方向なのだろう。
私がいつも帰るコースだ。

しばらく歩いていると
その女性が急に振り向いた。

(えっ?)

と思って
私は思わず、
立ち止まってしまった。


思えばそれが、
良くなかったらしい。


その女性は、
再び歩き始めると
10歩進んで
おそるおそる振り向いて
私の姿を確認して
またビクビクと向き返る。
そしてまた、
数歩進んで、振り返る。

間違いない。

私を、痴漢
もしくは
変質者と思っている。

(おいおいマジかよ?勘弁してくれよ)

なんという
自意識過剰反応だろう
なんという
エゴイストなのだろう
なんという
悲劇のヒロインなのだろう…

「ああ神様!
あたしの美貌で
また殿方を
魅了してしまったわ。
分かるわ、
解るわよ、変態さん。
あたしの美しさで
正気を失ってしまったのね。
でも、
お願いよ、襲わないで頂戴。
ああ天空の民よ、
母なる大地よ!
あたしを守り賜へ」

的なことを
彼女は
おそらく
思っているのだろうか?
そんな事を
考えていたら思わず
ニヤリとしてしまった。


思えばそれが、
良くなかったらしい。


彼女は、また
振り向いていて
ニヤケた顔のおっさんと
目が合って
しまったのだから。

あからさまに怯えた顔で
早足で去って行ってしまった。

ふざけんなっ!
なんだよ、その

【男を見たら痴漢と思え】

的な
被害妄想キャンペーンはっ?

だいたいなぁ…
夜道の一人歩きは…



男でも
怖いんじゃ〜〜〜い!(笑)



なんぼ
男性が女性より
力があるからっていっても
うしろからいきなり
通り魔に
ブッスリやられたり…

幽霊とかだったら
筋力とか
なんも関係
ないじゃろが〜〜〜い!


なんやっちゅうねん!





だっふんだ!